| (長野ロータリークラブ卓話<2010.6.22>) 長野県金融広報アドバイザー 小金 玲子 昨年、全国の消費生活センターには86万件の相談が寄せられましたが、その中で、金融トラブルはかなりの割合を占めています。それに伴い、国民生活センターでは、「投資信託」、「個人年金保険」、「未公開株」、「クレジットカード゙を使った融資」、「投資商法」などについて、被害予防情報を出しました。 トラブルの原因には、形がなく複雑で分かりにくい金融商品を安易に契約してしまう消費者、金融機関窓口での不適切な販売、悪質業者の詐欺行為などが考えられます。投資信託では、一定の条件を満たせば元本が戻る「元本保障型」や「リスク軽減型」の商品をローリスクで安全と説明されたが多額な損害がでたとの相談や、個人年金保険では、年3%の利息がつくと説明されたが元本保証ではなく手数料がかかることがわかった、などがあります。 トラブルの原因は、単に損が出たためではなく、消費者に適合した商品ではなかったり、説明が不十分だったために消費者がリスクを正しく認識できなかったためではないかと思われます。消費者と業者の間には驚くほどの格差があるのです。 次は、横行する詐欺的商法についてです。「今買っておけば上場で利益」と勧誘する未公開株の相談は昨年5500件で、過去最高を記録しました。息子の貯金までおろして1億円騙されてしまった女性は、貯金を預けかえる感覚だったと言います。最近は、「劇場型・被害回復型」などの手口が加わり、高齢者を中心に被害がでています。また、「元本保証・高配当・必ず儲かる」などと事業へ出資させお金を騙し取る投資商法は、昨年度摘発された事件だけで、被害者5万4000人、被害額1654億2000万円にのぼったと警視庁は報じています。「財宝船の引き上げ事業」、「海外でのエビの養殖事業」、「油田開発事業」、「地球環境貢献事業」などへ投資すれば1年で元本が2倍、借金しても投資しないと損などと、豪華なパンフレットを使い有名ホテルを会場に熱狂的に説明し、多くの消費者が被害にあっています。 将来の年金不安や超低金利・株価低迷の中で消費者の心理につけこんだこうした事件は、今後も多発することが予想されます。消費者は、「投資にはリスクがつきもの」「ハイリスクとハイリターンはセット」「世の中にうまい話はない」と肝に銘じるべきでしょう。 さらに、貸金業法の改正により、ヤミ金業者の暗躍が懸念されます。従来の融資保証金詐欺などの手口に加え、最近はクレジットカード゙でのショッピング゙を偽装し高利をピンハネする新たな手口も報告されています。 金融トラブルの被害は重篤で、その後の生活が立ち行かなくなるケースも多いです。 様々な金融商品の中からニーズにあったものを主体的に選択することが、家計をひいては市場を健全に発展させます。それには、合理的な意思決定ができるための金融知識を身につけることが大切でしょう。3月に長野県金融広報委員会が主催した金融経済講演会の講師でタレントのダニエルカール氏は、「日本の中・高校生は、お金は働いて稼ぐものではなく親にせびるものと考えているようだ。稼ぎ方やお金の使い方、カードの使い方を知らずに社会へ出て行く」と指摘されました。私たち大人は、家庭で、「働くことの苦労や喜び、家計のこと、予算内での生活や将来への夢」など、お金について大いに語りましょう。長野県金融広報委員会では、さまざまな形でそうした学習のお手伝いをしております。 |